薪の「壁」がほぼ燃やし尽くされた頃、
最後の夜を迎えました。
煙突から勢いよく炎が上がるほどに
窯の中の温度は最高潮に達します。
薪が燃えると灰になり、高温で焼かれることによって
次第に溶け出し、ガラス質の釉を形成し
陶器に美しい装いをあたえる・・・
と、陶芸家が話してくれました。
作品は火を落とした後も、余熱の中でさらに一週間寝かされます。
炎が落ち着いたころに中をのぞくと
オーロラのような(と言っても私は見たことがありませんが)美しさ。
かすかに生命の息吹きが聞こえてくるようです。
どんな表情をして焼きあがるのか、
とても楽しみです。
やきものがもっている、土の温かみや手触りの優しさ、風合い・・・
お皿や器、お椀などが身近な生活に溶け込むように
土に包まれた家をつくることができれば、
きっと落ち着きとやすらぎをもたらしてくれるだろう、
と、そんなことを感じた秋の一週間でした。