来る日も来る日も窯は焚きつづけられます。
安定した温度で、しかも1300度近い高温で
休むことなく、一週間です。
窯の構造はレンガで形を作り
その上を土で覆っています。
窯の頂部のところどころに孔があり、
そこから漏れる炎の加減により
内部の燃え具合がうかがえる仕組みになっています。
中は灼熱ですが、窯のまわりは
冷え込む夜のちょうど良い暖房に。
土の不思議。
その断熱性。
窯を覆う土の層はせいぜい5センチ程度。
中の灼熱をしっかりさえぎり
陶器に理想的な温度環境を維持しています。
それでいて、外から触れてもやけどをすることもありません。
民家の屋根の葺き土や壁につかわれてきた土。
薪をくべながら、意外なところから
土のすぐれた素性を教えられました。
焼きあがりまでじっと耐えている陶器たちも土の造形。
思えば、自然の岩も石も
地球という大きな窯の中で
長い時間をかけてつくりあげられた
自然のやきものなんですね。