福島県川内村。
古民家のある窯元「土志工房」。
新緑の鮮やかな五月晴れのある朝、
「里山探検隊」は樹齢400年のケヤキの大木をもとめて工房を出発。
メンバーは地元の林業家を隊長に、
陶芸家、音楽家、建築家、学者、教師、サラリーマン、主婦、学生・・・総勢12名。
いくつもの沢を渡り、
さわやかな木漏れ日の中
一行は「緑のダム」を抜けてゆきます。
無数の沢水が一本の支流に、
いくすじもの支流が集まりやがて木戸川に。
川は山間を縫うよう流れ、
水は蛇行のたびに川石に磨かれてゆき、
木戸川の清流となります。
川内村は福島県で唯一、水道のない村。
ここは巨岩でせき止められた天然ダム。
ちょっとひとやすみ。
源流をめざして
いよいよ険しい山道に入ります。
奥に進みにつれて
森が深くなり、うっそうとしてきます。
それでも若葉はまばらなため、思ったより足元は明るい。
隊長に「ここだよ」と案内されたところ。
メンバーのだれもが
「!!!」
そこには樹齢400年を超えると言われるケヤキが
はるか天空にそびえていました。
日本の木で建てる日本の家・・・
当たり前だったことが今は昔。
外来材が8割を占めるといわれる現代木造住宅。
日本の山に木がないから外来材に頼っているわけではない・・・。
都市に厚く、地方に疎い「格差」を生じさせる経済構造が日本の農林水産業、
とりわけ山の産業を衰退させてしまったことが一因だと思います。
この素晴らしい資源があるのだから
日本の山を元気にすれば地方に活気が戻り、
そして、日本の家はもっと豊かになる・・・
と原生林の木々たちが語っているように感じました。