散歩のときに何か食べたくなって・・・
とは池波正太郎さんのエッセイのタイトル。
今日はビールのつまみに、
タラの芽の天ぷらが食べたくなって
近くの林を散歩することに。
手入れの行き届いた山は、足元までさんさんと光が届き、
登山道でもないのに、とても歩きやすい。
そこかしこに散らばる小枝は、切り口がまだ新しく、
あきらかに、ここ2,3日のうちに打ち払われたもの。
サクサクと落ち葉のクッションを踏みしめながら、
先行く人のぬくもりを感じることができます。
この季節、
里山は摘みごろの山菜が豊富です。
お目当てのタラの芽は今が旬。
両手に抱えきれないほどの収穫を、
と勇んで出かけたものの、
目につきやすいところは、ことごとく採取されたあとで、
すっかりボウズの状態。
意外なところで
山の手入れのよさを見せつけられた格好で
思わずタメ息がもれました。
帰り道、あまり管理されていない、少々荒れた山の
ブッシュをかき分け、やっと見つけた
輝くようなタラの芽。
荒れ山も、時にはいいものだ・・・
などと勝手な理屈を付けて
エゴみをかみしめた初夏の夕方でした。