までいのこころ

「までい」とは、
ゆっくりと、
ていねいに、
という福島県あぶくま山系地方に伝わる方言。

3.11以前の福島県飯舘村
人口六千人ほどの小さな村。

あの日、3.11から今年は10年。
あの日から10年後の令和3年、
ゆっくりと、ていねいに、
避難した人たちは少しずつ村に帰還したものの、
もとの村の姿に戻るにはまだまだ遠い道のりが残されています。

いいたて村の道の駅「までい館」

2017年(平成29年)
村の避難指示解除後の住民の帰村時の復興拠点として、
いいたて村の道の駅「までい館」がオープンしました。

ちょうどその頃、飯舘村のお隣りにある飯野町にお住まいの私の知人境野米子さんから、
「飯舘村から避難している知人(佐々木千栄子さん)が近々村の生活に戻るので家の再建の相談にのってほしい」
と頼まれ、お会いしたのが「気まぐれ茶屋ちえこ」のご主人である佐々木千栄子さんでした。
ある日、境野ご夫妻と佐々木さんのお店を訪ねたところ、敷地の一角に基礎工事が済んだ状態の再建現場を拝見しました。

平成16年に開業したお店の経営が軌道に乗ったところで、古くなった自宅の建て替え工事が始まってまもなく3.11に襲われて、避難生活のはじまりとともに5年以上も再建現場が放置されていたとのことでした。

東京に戻ってしばらく住宅再建の話は立ち消えになっていたところ、ふたたび境野さんから、
「飯舘村の避難指示解除とともに閉鎖していたお店を再興するのでオープニング用のチラシをデザインしてほしい」
との依頼を受け、さっそくチラシの制作にとりかかり、境野ご夫妻の助力を得て2019年(平成31年)2月に1,000枚のチラシを納品しました。

翌3月に再興準備中の佐々木さんを訪ねた私は、 途中「道の駅までい館」に立ち寄ったのですが、 そこに私がデザインしたチラシが置かれているのを見てとても感激して、 追加チラシのデザインを申し出ました。
佐々木さんのお話をうかがうと、同年5月1日の改元にあわせてお店をオープンするとのこと。
とてもおめでたいお話なので、ぜひお役に立ちたいと志願して出来上がったのが新しいチラシでした。 もちろん、「道の駅までい館」に置いていただきたい、と志願したのはいうまでもありません。
こうして新しいデザインのチラシは2,000枚納品して「までい館」に飾られることになったのです。

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