村を汚したのは誰?

福島県かわうち村
人口三千人ほどのちいさな村
村の中央部には阿武隈山系から湧き出した清流がながれ、
いわなの秘境として多くのファンが訪れました。、
澄んだ湧き水は春は山菜、秋はきのこを育み、これを目当てに訪れたファンも大勢。
村民がつくる豆腐・打つそばは、これを求めて近隣から観光客が絶えませんでした。
村の基幹産業は農業と林業。
澄んだ湧き水と清流のおかげで村はたいへん風光明媚な土地として知られ、
多くの文人墨客、芸術家に愛されてきた歴史があります。
2011年の大きな事件により、平和な村の風景は一変しました。

あの日から変わったこと

村から誰もいなくなりました。
全村民が避難して離散しました。
誰もいなくなった村に残された花々や家畜たちはどこへいった・・・

やがて空から降ってきた放射能によって美しかった村の風景はしだいに蝕まれていきました。
除染土を詰め込んだ大量のゴミ袋が村のあちらこちらにあふれました。

村道のわきに、林道に、間伐林に、農道に・・・。

やがてこれら大量のゴミ袋が、 バブルがはじけた時代に放置されたリゾートゴルフ場計画用地(村有地)に穴を掘り、 兵馬俑よろしく整然と並べられ、 やがて土を被せて誰も気付かないようにこっそりと埋め立てられようとしている、 戦慄の光景に出会いました。

忘れもしない、2013年(平成25年)5月某日の早朝のこと。
旧知の日本画家が震災前に住んでいた旧居を訪ねて山道を縫うようにあるいて、 やがて視界が開けた旧ゴルフ場計画用地の変わり果てた光景に愕然としました。

もうやめてくれ。
原発なんてたくさんだ。
ふるさとを返せ、清流を返せ、田畑を返せ、里山を返せ・・・
どんなに叫んでも声はむなしくこだまして朝もやの空に吸い込まれてしまいます。

あの日から変わらないこと

あの日から10年たった今も変わらないこと。
それは、
東京の一極集中がますます進み、
やれ地方創生だ、復興五輪だ、といいながら、
すこしも被災地の現実を直視しない為政者たちが減らないこと。
そんな舌先三寸の政治家どもよ、あなたたちの舌禍にはもううんざりだ。

出てこいヒーロー、ヒロインよ

誰でもいい、原発を止めてほしい。
脱炭素で自然エネルギーを推進するといってもだ、
メガソーラーにしても洋上風力発電にしても、
やればやるほど新たな環境破壊が生まれ出ずる悩みになることがわかっていながらなぜ止めないのでしょう?
経産省の成長経済政策と環境省の脱炭素推進政策はもともと調和しないと知っているのになぜ仲良くやっているフリをするのか。

もうやめてくれ、あなたたちに地球の明るい未来は任せられない。
政治家諸氏よ、ここであなたたちにあらためて問う、原点から問い直す。

「原発は必要か」

この問いに「No」と答えるなら、
出てこい、勇気ある若者よ。
明るい未来はあなたがたの勇気にかかっています。

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