木。
自然素材なんだから、あれこれ手を加えず、そのまま使う。
これが土志工房の家具づくり。
とれたての山菜をサッと塩ゆでして食す・・・、
そんな感覚です。
山に生えている木は一本いっぽんみんな素性がちがう木。
長いの短いの、太いの細いの、まっすぐや曲がったの、カタいのヤワいの
赤いのや白いの、節やコブ、割れだのヒビだの・・・・
そう、一人ひとりのカオや性格がちがうのといっしょ。
コイツは節が多いから使えない、なんて非情なことはしません。
「オ、このカーブは背もたれにちょうどいい」
とか
「このゴツゴツした木肌がしっかりと握れるゾ」
という具合に、そんなクセのある木ほどカワイイ。
工房には家具材のストックが豊富にそろっています。
山で伐られてから材として使えるようになるまで
3年から5年は「寝かせて」おきます。
余分な水分を抜き去るためです。
この間に狂ったり反ったりの暴れん坊の木でも次第に素直になってくる。
どこか人に似ていますね。
こうして長いこと木とつきあっていると「木のこころ」みたいなもんがわかってくる。
「どれ、脚に使おうか」
とか
「テーブルの一枚板にいい表情だ」
なんて具合に。
デザインを考えるときもその木の「まんま」を心がけています。
土志工房のあるところは福島県の川内村。
日本が高度成長時代を迎える頃まで、良質な木炭の産地として
全国に名の知れた村でした。
今でもナラ、クリ、クヌギなど広葉樹のほか、
マツ、スギ、ヒノキなど針葉樹もたくさん育っています。
これら里山の資源を上手に活用することが
全国の村々を豊かにし、ひいては地球環境を健全にするのだ・・・
・・・おっと、ちょっとリキんでしまいました。
要は、
気持ちいい〜、とご好評いただいている土志工房のテーブル、ベンチ、チェアを
ひとりでも多くの方に知っていただければなあ・・・
というキモチをお伝えしたかったのです。
「同形同寸のものを二つ三つ作って・・・」
というご注文はちょっとコマル。
腕に自信がないわけではなく、材を吟味して作る以上、どうしても姿カタチに「個性」がでます。
年にテーブルならせいぜい5台が生産能力。
すべてオーダーメイド、じっくりていねいに制作にかかります。
テーブルに2ヶ月、チェアなら一脚ひと月程度の納期をお願いしています。
お気に入りのテーブルにチェアを一脚ずつ買い足すもよし。
里山からの贈り物。お楽しみ下さい。