窓を開けて、深呼吸しましょう。

暑い日が続きます。この夏は最高気温が40℃を超える日も。今までは考えられないことです。

 その昔、昭和30年代は夏の気温が30℃を超えるだけでも驚異的なニュースでした。 その頃は日中の暑さは厳しくても、夕方になると気温も下がり、窓から風が入れば寝苦しい夜もありませんでした。 夜の気温が25℃を超えると寝苦しくなり「熱帯夜」と呼ばれるようになったのはいつの頃だったか・・・。 酷暑が続いたせいでしょうか、今では夜の室温が27℃であれば寝苦しく感じることも減りました。

 地球温暖化が深刻な環境問題として世界でとり上げられてからすでに20年以上が経ちます。 1997年、地球温暖化サミットが開かれ「京都議定書」が採択されました。

 あれから20有余年・・・。環境問題は「最優先課題」として世界中で認識されているものの、ゴミによる海洋汚染は深刻の一途をたどり、 今では「宇宙ゴミ」対策が新たな課題となるなど、とどまるところを知りません。

もうやらない。

身のまわりには「難問」があまりにも多すぎて
2年程度の歳月では答えが出ないのかもしれません。

難問解決のためあまり先を急ぐのも問題ではないでしょうか。
「復興」を急ぐあまり戦後の急成長時代に戻るよりも
むしろ近代以前、あるいはもっと中世・古典に規範を求めて原点に帰る・・・。
そんな視点があってもいいように思えます。

ゆっくりと歩む。
歩けば車窓からは見えない風景が見えるように
モノづくり、家づくり、そして「復興」にも高度成長期の「早・急・短」で本当にいいのか・・・。

温故知新の家。
古くから日本にある伝統工法の家はそのお手本と言えるかもしれません。

長期優良住宅とか200年住宅論がささやかれていますが
いずれも工期に追われ「早く、急いで建てて、短命に終わる」のでは、
と不安も残りそう。
古典・原点にかえるモノづくり、家づくりを。
なによりも200年以上の風雪に耐えた木造建築が現存する実績が物語ります。
そう、日本の自然素材で建てた「あたりまえの家」
が21世紀のスタンダードになりそうな・・・。

一日も早い日本建築の「復興」を願っています。

2021年 10月

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